船を造りたければ、人に木を集めてくるように促したり、作業や任務を割り当てたりすることをせず、延々に続く広大な海に憧れる事を教えよ。

アントワーヌ・ド・サン-テグジュペリ

 

スクラムマスターの概要

スクラムマスターはチームメンバーであり、主要な責務は自己組織化し、自己管理するチームがゴールを達成するために支援することである。そのため、スクラムマスターはスクラムを教えたり、スクラムのプラクティスの実装と強化を実施したり、障害を識別し、排除したりする。SAFeのチームレベルはスクラムに基づくため、スクラムマスターの名称と責務をそのまま利用する。スクラムマスターの役割は、スクラムによく定義されている。また、スクラムコミュニティーはこの役割に関する専門的なトレーニングを提供している。大規模なプログラムの場合でも、この役割を担当する10-20人がトレーニングを受講すればよいので、このトレーニングは費用対効果がよいと言えるだろう。このトレーニングは通常なスクラムに関してよく標準化されているが、SAFeの世界では、追加の責務が求められる。

詳細

役割についての概要説明

スクラムマスターは奉仕型リーダーであり、以下のことを行う。

  • チームがスクラムやSAFeのルールに従うことを支援する
  • チームが日次、反復毎の目標を達成するために支援する
  • 組織内にある障害を排除するために努める
  • チームが外部の利害関係者間の関係を管理することを支援する
  • チームの継続的な改善を促進する
  • リリース列車にいる他のスクラムマスターとソリューションの実装と納品を連携する

役割の確保

大規模の場合、各チームにフルタイムスクラムマスターを割り当てる必要性が納得されないかもしれない。もし、あなたが100個の新しいアジャイルチームを構築し、「成功するために、我々が100人のフルタイム開発者を選んで、彼らをコーディングもテストもしないこの新しい役割に割り当てなければならない」、あるいは「チームがスクラムを習得するために、我々が各チームにフルタイムまたハーフタイムのコンサルタントを配置しなければならない」、このようなメッセージは発信したいか。この戦略を取る場合、取組が始まる前に、そして、スクラムマスターという役割の価値を証明するチャンスを得る前に、つぶされるかもしれない。

従って、SAFeでは、より現実的な立場と仮定で、一般的に、スクラムマスターはパートタイムの役割である。この役割は開発者、テスト担当者、プロジェクトマネージャー及びその他のスキルを持つ人(チームのマネージャーではなくでも)に割り当てる。スクラム導入の初期、この役割がより強いほうがよいかもしれない。この場合、チームがスクラムを習得するまで、外部のコンサルタントを雇って、現場でチームにコーチングを提供したほうが便利でしょう。

チームにおける責務

スクラムマスターは、チームに基づく管理/リーダーシップの代理であり、チームが新たな手法に移行することを支援し、チームのパフォーマンスが最大になるようにチームの動きを継続的に促す役割を担う。スクラムマスターは、権限が委譲され、自己組織化し、自らの説明責任を負うチームを指導し、チームは各スプリントの出力を成功裏に届けることに責任を持つ。スクラムを実装しているチームにとって、スクラムマスターは重要な(でも過渡的なこともある)役割である。

  • ルールを守らせる:スクラムのルールは軽量的であるが、ルールはルールである。この役割はスクラムのルールやほかのチームが合意したプロセスルールを守るように責任を負う
  • チームの進捗を促す:スクラムマスターはチームのファシリテーターとしての訓練を受け、チームの反復のゴールへの専念を保ちながら、開発の古い規範に挑みつづける。
  • 継続的な改善におけるチームの努力をリードする:これは、チームが改善することを支援したり、チームが自らのアクションに対する責任を果たすことを支援したり、チーム自身で問題解決できるように支援することを含む。
  • 障害を取り除く:チームの作業を阻む問題の多くはチームの権限を越えたものであったり、他のチームからの支援が必要になる。この役割は、チームが反復の目的を果たすことに専念できるようにこれらの問題を積極的に解決する。
  • SAFeのコード品質プラクティスの応用を支援する: チームがどのようにコードを開発するかについて、スクラムが言及してない。しかしながら、SAFeは、持続なコード品質向上にチームを支援するためにガイダンスを提供する。また、SAFeスクラムマスターは、効率的なアジャイルチームの印しである規律性と職人性の文化を助長することを支援する。

アジャイルリリース列車における責務

アジャイルリリース列車(ART)の世界では、スクラムマスターは、次の責務を持つ。

スクラム・オブ・スクラムズ

ARTの世界では、通常膨大なチーム間調整が必要となる。これは、単純なステータス報告、クロスチームの障害の排除、チーム依存性の調整かもしれない。これらは、週単位 (あるいはより頻繁に)の「スクラム・オブ・スクラムズ」ミーティングで対応されることが非常に多い。このミーティングのための規定した形式が特にないが、一般的に1時間程度で行われる。ここで、1つのチームの基本的なアジェンダは示す。

図1.スクラム・オブ・スクラムズミーティングのアジェンダ例

アジェンダが消化された後に、ミーティングは問題解決へ移行する。問題解決のミーティングは時間の制限がない。影響のあるスクラムマスターのみ、議論のためにとどまる必要がある。場合によっては、関連性のあるチームメンバーもこの問題解決ミーティングへの参加が求められる。


さらに知りたい場合Learn More

www.scrumalliance.org

Leffingwell, Dean. Agile Software Requirements: Lean Requirements Practices for Teams, Programs and the Enterprise. Addison-Wesley, 2011.(邦訳:アジャイルソフトウェア要求:チーム、プログラム、企業のためのリーンな要求プラクティス、翔泳社、2014.)

 Last update: 1 July, 2014

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