Scaled Agile Framework(SAFe)の中心的価値

今までいくつかのSPC認定コースにて、SAFeの本当の価値は何かについて議論してきた。もちろん、SAFeの原則の定義やプラクティスについて、リーン思考やプロダクト開発フローやアジャイル開発の広範な恩恵(アジャイル宣言、スクラム、XP技術的なプラクティス、カンバン)は重要な役割を発揮している。しかし、SAFeをビジネス恩恵の提供に役に立つように促進するには、このリストでは長すぎる。SAFeを実装する際、我々は何を価値としているのかは明確にしていなかった。たくさんの議論を通じ、我々は、SAFeが提供するスケラーブルなプラクティス以外に、ベクトル合わせコード品質透明性プログラムの実行、という4つの価値について合意した。この4つの価値を図1で示し、以降の段落で説明する。

図1. SAFeの中心的な価値:ベクトル合わせ、コード品質、透明性、プログラムの実行

図1. SAFeの中心的な価値:ベクトル合わせ、コード品質、透明性、プログラムの実行

ベクトル合わせ

実践上すでに明白なことであるが、大企業では、エントロピーは最も自然な状態であるので、もし何にもしなければ、ベクトル合わせも起こらない。実際、権限委譲されたアジャイルチームへのより積極的な移行によって、エントロピーを調和することができる。権限委譲されたアジャイルチームは良い(というよりも、すばらしい)。しかし、いくら優秀でも、戦略とベクトル合わせの責務は、チームの累積意見だけではできない。ベクトル合わせは企業のビジネス目標に基づく必要がある。これはポートフォリオの戦略レベルで始まり、戦略テーマポートフォリオバックログに反映され、ビジョンロードマッププログラムバックログからチームバックログに上から下へと伝えられる。ベクトル合わせは、内容に関する明確な権限によってサポートされ、ポートフォリオから開始するが、プログラムレベルプロダクト管理の役割(名前は重要ではない。何を構築するかを定義する権限を持つ役割)によって実施する。実施時に、拡張したプロダクトーオーナーチームと連携し作業する。

コード品質

単純に、質の悪いコードではスケールアップできないし、また、早く納品することもできない。もし、我々はコード品質に関心がない場合、最終的に入手したのはデバッグが不可能、より大きな複雑すぎる質の悪いシステムだろう。このようなシステムは、利用者が挫折するだけではなく、プロセスの信頼性や開発チームの自信と信頼性を低下させる。もっと酷いのは、ベロシティーがどんどん遅くなっていくことである。このような背景があるため、SAFeではコード品質の各プラクティスへの関心が高くなっている。(我々の新しいエンタープライズScrumXPトレーニング及びSAFeの実装にさらに注目が集まっている)。図2で示したように、多くの面では、これは重要な問題であり、我々は今後たくさんの方々からこれらの重要なトピックに関する追加ガイダンスを貢献することを期待している。

図2. 品質を育むためのプラクティス

図2. 品質を育むためのプラクティス

XPとアジャイルモデリングの既存の体系が深く、堅牢であるため、私たちは、時間をかけてSAFeにこれらのプラクティスをよりよく集約し、まとめようとする一方で、すべてを網羅するつもりはない。これらの既存のものを適用して欲しい。

透明性

透明性はSAFeの中心的な価値の1つである。透明性がなければ、事実が見えにくく、把握できなくなる。データ欠如の仮説に基づく意思決定がどのような結果になるのかは明確だろう。透明性の究極の目標は、単により良い意思決定ではなく、信頼関係の構築を支援することである。信頼関係がなければ、高いパフォーマンスを持つチームやプログラムの構築ができないし、合理的な確約をしたり、それを満たす自信も持つことができない。信頼関係がなければ、職場が楽しくないし、モチベーションが低くなる。SAFeでは、以下のように信頼関係を定義する:

当事者の一方がもう一方に確信的に依存でき、一丸となって行動するときに信頼が沸き起こる。特に困難な状況においては、そうである。

信頼関係を築くために時間がかかる。私が教えている経営者のリーダーシップのクラスでは、半日かけて、高パフォーマンスを持つチームとプログラムをどのように構築するかを討議する。いくつかのアプローチを議論するが、透明性がいつも問題として取り上げられる。以下の名言に述べられるように:

各レベルにおける情報への平等なアクセス可能性は重要である。
- 竹内、野中「知識管理

孤立した活動や透明性の欠如は、パフォーマンスの向上を妨げる。
- Jeff Sutherland

我々はリーダーシップを促進し、高めると思われるゲームの性質…それは、個々のプレーヤーの能力やパフォーマンスに関するデータを含む広範な情報に対するハイパーな透明性である。

- Harvard Business Review: Leadership as a Task, Not an Identityアイデンティティーではなく、タスクとしてのリーダーシップ

まとめると、透明性は信頼の必須要素である。SAFeでは透明性を実現するために、以下のアプローチを提供する。

  • 経営者、ポートフォリオマネージャーや他の利害関係者からポートフォリオカンバン及びプログラムバックログが見えるようにしなければならない。各リリース列車のPI目標を明確に理解する。
  • プログラムはチームバックログにはもちろん、他のプログラムのバックログにも完全な可視性を持つ。
  • プログラムはすべての関連利害関係者と一緒に検査と適応を実施する
  • チームとプログラムは、先にどのエピックがあるかを理解するために、ビジネスとアーキテクチャーカンバンを見なければならない。
  • 動作するコードの目標測定に基づいて状況を報告する。
  • 実行する戦略と能力の足並みを揃えるため、全員がチームとプログラムのベロシティーの実績を理解しなければならない。

プログラムの実行

私はRational Softwareに勤めていた際、CEOのMike Devlinとの間である会話をした。全部は覚えていないが、当時の戦略と実行に関する活発な議論だったと思う。はっきり記憶に残っているのはMikeの最後の簡潔なコメントだった - 「Dean、実行は戦略的に」。

Mikeは正しい。SAFeにおいて、アジャイルプログラムをうまく実行できなければ、他のことはいずれも重要ではない。アジャイルプログラムの実行を成功することはアジャイルリリース列車(ART)の目的であり、SAFeを構成する役割、活動、言行への投資の目的である。SAFeはARTについて定義しているので、ここでは省略する。しかし、我々がベクトル合わせ透明性コード品質を握れば、実行に焦点を当てたときに、少しはスムーズになるだろう。もちろん、ソフトウェア開発は難しいことであり、苦戦するだろうが、最後の礎として、検査と適用ワークショップを利用できる。このように、このループは閉じたものであり、PIごとによりよく実行できる。

成功するチームとプログラムはこのように実施するため、アジャイル企業は従業員エンゲージメントの向上、生産性の向上、迅速の市場への投入といった恩恵を獲得している。

Last modified 07/28/2013

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