ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければなりません。

- アジャイル宣言

名前には何が含まれるのだろうか?我々がバラと呼ぶものが、他のどんな名前だろうと同じように甘く香るだろう。

- シェークスピア、ロメオとジュリエット、第2場第2幕

 

プロダクトオーナーの概要

プロダクトオーナー(PO)はチームの一員であり、チームバックログの定義と優先順位付けに責任を持つ。さらに、プロダクトオーナーは品質において重要な役割を持ち、システムベースラインに新しいストーリーを受け入れられる権限を与えられた唯一のチームメンバーである。アジャイルへ移行するほとんどの企業にとって、これは新しく、重要な役割であり、一般的にフルタイムの仕事となる。通常1人のPOは1から2のアジャイルチームを対応する。

SAFeとアジャイルリリース列車(ART)の世界では、この役割は、主にプロダクト管理チームへの参加やARTリリース計画の策定への参加を介して、さらなる関係と責務を持つ。その上、プロダクト全体の定義や投資の回収(価格やライセンスポリシーなどの定義によって決められている)に関する権限など、スクラムにおけるプロダクトオーナーの従来のチームレベルの権限と合わせ、ARTのプロダクト管理者と共有する。

詳細

役割の概要説明

プロダクトオーナーはアジャイルチームのメンバーであり、顧客の代理として務める。プロダクト管理者(あるいは主プロダクトオーナー、参考文献[3])や他のプロダクトオーナーやチームを含む利害関係者と一緒に作業し、チームバックログの定義と優先順位付けに責務を持つ。このように、技術的な整合性を取りながら、ソリューションを用いてユーザーのニーズへ効果的に対応する。前述のように、SAFeにおけるプロダクトオーナーは開発チームと拡張されたプロダクト管理チームという2つのチームで活躍する。理想的に、プロダクトオーナーは開発チームと同じ場所にいて、管理、動機づけ及び文化を共有する。もっとも関連性のあるプロダクト管理会議や計画策定はもちろん、バックログ/ビジョンの手入れセッションに、プロダクトオーナーも参加する。

作業分担

プロダクト管理者とプロダクトオーナーはソリューション向けの「内容に関する権限」を共有するため、役割と責務の明確的な線引きは重要である。以下の表で示す。

プロダクト管理者

プロダクトオーナー

市場/顧客向け ソリューション/技術/チーム向け
市場/ビジネスと同じ場所、市場/ビジネスに報告する 開発と同じ場所、開発に報告する
ビジョンロードマップ、価格、ライセンス、ROI、及びプログラムバックログに責任を持つ ビジョンとプログラムアックログに貢献し、チームバックログと実装に責任を持つ
優先順位付けられたフィーチャーを通じPIリリース内容を推進する 優先順位付けられたストーリーを通じ反復を推進する
フィーチャーの受け入れ基準を確立する ストーリーの受け入れ基準を確立し、ベースラインにストーリーの受け入れを行う

表 1. 典型的なプロダクト管理者とプロダクトオーナーの責務

プロダクト管理者、プロダクトオーナーとアジャイルチームの多重度

開発の成功には、企業における数のゲームという部分がある。適切な役割を担った適切な人数がいなければ、ボトルネックはベロシティーをひどく制限するでしょう。従って、プロダクト管理者、プロダクトオーナー及びアジャイルチームは大体なバランスを取らなければならない。そうしないと、システム全体はその定義、明確化、受け入れに関する待ち時間をたくさん費やすでしょう。SAFeが推奨する多重度を図1に示す。

図1. プロダクト管理者、プロダクトオーナーとアジャイルチームの多重度

1人のプロダクト管理者は通常4人までのプロダクトオーナーをサポート可能である。1人のプロダクトオーナーは1から2のアジャイルチーム向けのバックログを担当することが可能である。

プロダクトオーナーの責務

SAFeにおけるプロダクトオーナーは主に以下の責務を持つ。

  1. バックログの手入れ 。プロダクト管理者や他の利害関係者からのインプットを受けて、プロダクトオーナーはバックログの作成、剪定、維持に関する主な責任を持つ。バックログの大部分はユーザーストーリーによって構成されるが、欠陥、リファクタリング作業やインフラ作業も含む。バックログ項目の優先順位付けはリリース計画策定時に決められたユーザーの価値、時間の依存性、リスクの低減と労力に基づく。
  2. 反復の内容の定義/反復計画策定。他のプロダクトオーナーと一緒に内容の依存性を調整することを含め、反復計画のための準備の一環として、プロダクトオーナーはバックログをレビューしたり、優先順位の再調整を行ったりする。反復計画ミーティング中、プロダクトオーナーはユーザーストーリーの詳細と優先順位に関する主要な情報源となり、最終的な反復計画の受け入れに関して責任を持つ。
  3. 開発直前のストーリーの詳細化。ほとんどのバックログ項目は実装向けにユーザーストーリーレベルまで詳細化される。この詳細化作業は反復の前、反復計画中、反復進行中に行われるかもしれない。チームメンバーの誰もユーザーストーリーや受け入れ基準を記入できるが、プロダクトオーナーがプロセスの進行に責任を持つ。
  4. ATDDのサポート。ストーリーの受け入れ基準の開発に参加し、実施可能な場合、たたき台を作成する。とにかく、実例を準備し、ATDDの実例による仕様をサポートするようにする。テストファーストを参照する。
  5. ストーリーをベースラインに受け入れる。プロダクトオーナーはストーリーをベースラインに受け入れることが可能な唯一なチームメンバーである。受け入れはストーリーが受け入れ基準に合致していることや適切で持続的な受け入れテストを持っていることの検証を含む。このように、プロダクトオーナーは主に利用に即しているかに注目し、品質保証の機能も果たす。
  6. PI/リリースの調整。頻繁に、信頼性があり、継続的に付加価値のあるシステムレベルのソフトウェアをリリースすることに関して、反復とチームは大いに貢献する。各PI過程では、プロダクトオーナーは他のプロダクトオーナーと内容の依存性を調整する。通常、これの一部は週次(もっと頻繁かもしれない)プロダクトオーナーチームミーティングへの参加によって実現する。重要な利害関係者向けの統合されたシステム/プロダクトデモのやり方に関しても、プロダクトオーナーは支援する役割を果たす
  7. リリース計画策定の準備と参加。拡張されたプロダクト管理チームのメンバーとして、プロダクトオーナーはプログラムバックログの手入れ、リリース計画策定の準備に大いに関与し、計画イベント自身にも重要な役割を担う。イベントの前に、プロダクトオーナーはチームバックログを更新したり、プログラムビジョンや内容発表のレビューに参加したりする。イベント中に、プロダクトオーナーはストーリーの定義に関与し、必要な説明を提供する。これによって、チームにストーリーの見積もり、スプリントの起動、ストーリーの順位付けを支援する。また、今後のPI向けのチームの特定の目標の作成に関与する

さらに、拡張されやプロダクト管理者/プロダクトオーナーチームに、活動的なメンバーとして、プロダクトオーナーは参加する。ビジョンやロードマップに貢献し、積極的にプログラムレベルのバッグログの手入れやリリース計画策定の準備を参加する。


さらに知りたい場合

[1] Leffingwell, Dean. Agile Software Requirements: Lean Requirements Practices for Teams, Programs, and the Enterprise. Addison-Wesley, 2011. 第11章 (邦訳:アジャイルソフトウェア要求:チーム、プログラム、企業のためのリーンな要求プラクティス、翔泳社、2014)

[2] Larman, Craig, Vodde, Bas. Practices for Scaling Lean & Agile Development: Large, Multisite and Offshore Product Development with Large-Scale Scrum. B Addison-Wesley, 2010. Chapter 3.

[3] Pichler, Roman. Agile Product Management with Scrum: Creating Products that Customers Love. Addison-Wesley, 2010.

Last Modified 1 July, 2014

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