よいアイディアや本当のイノベーションには、人々との積極的な関わり、対立、議論やディベートが必要だ。

- マーガレット・ヘファーナン

ビジネスエピックの概要

ビジネスエピックは、通常、顧客向けの横断的で大きな取り組みである。この取り組みには特定のビジネスの恩恵を実現するために必要な新しい開発がまとめられる。承認されたビジネスエピックはビジネスエピックカンバンシステムのアウトプットであるポートフォリオバックログに保管され、管理される。カンバンシステムでは、ビジネスエピックは成熟度のいくつかの状態を通して処理され、最終的に捨てられるか実装に移される。このプロセスにおいて、エピックの裏にあるビジネス駆動力、技術的な影響、インクリメンタルな実装の戦略に関する合理的な経済性分析が行われる。

詳細

カンバンシステムを通過するエピックフロー

ビジネスエピックは、まずビジネスエピックカンバンシステムに取り込まれ、仕掛かり作業(WIP)制限下で、このシステムを通っていく。これにより、責任のある分析を行うのに必要な時間が作業を行う人に与えられることを保証できる。同様に重要なのは、カンバンシステムが、新しいビジネスアイディアを実装するための適切なスコープと時間枠への期待を管理できることである。各エピックを実際に実装するかどうかの最終判断は、プログラムポートフォリオ管理チームが行う。そして、通常、バックログには常に複数の分析済みのエピックがあるので、リソースが使用可能になれば、意思決定者は一定数量の可能なビジネス機会から選択することができる。

分析

エピック(ビジネスとアーキテクチャ)はプログラムポートフォリオの主要な経済駆動力であるため、実装すると確約する前に、慎重に分析しなければならない。エピックオーナーはこの重要なタスクにアサインされる。分析の待ち行列に空きができると、バックログから最も価値のあるエピックが分析に引き渡される。分析では、工数と経済的影響をより詳細に定義し、重みづけされた最短作業から着手(WSJF)するという優先順位付け方法を適用し、コストの見積もりを確立し、軽量のビジネス企画を作成する。分析では以下のような作業を行う。

  • ビジネスの利害関係者と一緒にワークショップを行い、ビジネスエピックに関するビジネス上のメリットを理解し、説明する
  • システムアーキテクトやアジャイルチームリーダーと一緒にワークショップを行い、実装の工数と既存システムへの影響を理解する
  • 具体例を作成し、曖昧さを取り除く(実例仕様)
  • エピックの成功基準を定義する

分析段階の成果物は軽量のビジネス企画であり、それによって、利害関係者であるスポンサー、販売と流通への影響、開発の工数、WSJF評価などを明示する。その後、適切な責任者がビジネス企画を利用して、エピックのゴーかストップかに関する意思決定を行う。

成功基準

エピックの価値に関する短い記述軽量ビジネス企画のどちらにも、エピックの成功基準が含まれる。この基準を用いて、実装が完了し、成功したことを検証できる。エピックは本質的に大きくて、抽象的になりがちなので、成功基準を定義することは重要である。これによって、利害関係者の間で、ビジネスにとってこのエピックは本当に何か意味があるかに関する共通認識が得られる。

通常ポートフォリオエピックは複数のアジャイルリリース列車リリースにまたがるので、フィーチャーの開発に関して進捗があるかを評価するのは難しい。そのため、SAFeではエピックの進捗を測るために使用できる一連のポートフォリオメトリックスを用意している

インクリメンタルな実装

エピックは、承認された後、1つまたは複数のリリース列車で実装のための空きができるまで、ポートフォリオバックログに保持パターンで保管される。その後、エピックオーナーは責任を持って、プロダクト管理者システムアーキテクトと一緒に作業し、エピックをプログラムエピックや新しいフィーチャーに分割し、プログラムバックログを作成する。インクリメンタルな実装を行うには、ビジネスエピックをより小さなプログラムエピックビジネスフィーチャーに分割しなければならない。エピックの分割については、別のページで説明する。


さらに知りたい場合

[1] Leffingwell, Dean. Agile Software Requirements: Lean Requirements Practices for Teams, Programs, and the Enterprise. Addison-Wesley, 2011.(邦訳:アジャイルソフトウェア要求:チーム、プログラム、企業のためのリーンな要求プラクティス、翔泳社、2014)

Last Update: 25 July, 2014

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